80%が猶予されます(自社株の評価額・相続税)

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経済産業省が推奨している、事業承継制度についてその概要をご説明します。

これは、中小企業者が自社株の相続税・贈与税の猶予を受けるための制度です。

後継者が株式を相続、または贈与された場合、相続税や贈与税を猶予しようという制度です。相続だけでなく、現経営者が後継者に社長を譲るという様な場合、株式を贈与するときも猶予されます。

猶予のための要件がありますので、以下、概要をご説明します。

 

猶予を受けるためには、まず、

相続の場合8ヶ月以内、贈与の場合は贈与を行った年の翌年1月15日までに、「認定申請書」を「地方経済産業局」に提出します。認定申請書を提出することで、猶予が可能になります。

 

猶予される税金は?

1.相続税の納税猶予

現経営者の相続または遺贈により、その後継者が取得した自社株の80%部分の相続税の納税が猶予されます。

猶予される額は、取得した株式の評価額の80%となります。

例として、評価額3億円の株式の場合、2億4千万円が相続財産からの猶予額です。

税額は、課税対象3億円で1億800万円、猶予後は6千万円が課税対象となり、税額は1千100万円となります。

 

2.贈与税の納税猶予

現経営者からの贈与により、その後継者が取得した自社株に対応する贈与税の納税が猶予されます。

贈与の場合、贈与時は100%猶予されますが、相続時には、猶予された20%部分は課税対象となります。

猶予される株式は持分総数3分の2までです。

 

納税猶予を受けるための要件は?

1.会社の要件

・中小企業であること。

上場会社、風俗営業会社は対象外です。

・従業員が1人以上であること。

・資産管理会社に該当しないこと。

資産管理会社とは、総資産に占める非事業用資産が70%以上の会社、総収入に占める非事業用資産の運用収入が75%以上の会社。ただし、常時雇用従業員が5人以上いるなど、事業実態を有する場合は該当しないとされている。

2.現経営者の要件

・会社の代表者または代表者であったこと

・相続開始等直前において、現経営者とその親族で総議決権の過半数を所有し、現経営者が筆頭株主であること

・贈与税の猶予を受ける場合は、贈与時に代表を退任していること

3.後継者の要件

・相続開始直前において役員であり、相続開始後5ヶ月後に代表者であること

・贈与税猶予の場合は、贈与時に20歳以上、贈与直前3年以上役員であったこと

・相続開始等直前において、後継者とその親族で総議決権の過半数を所有し、かつこれらの者の中で筆頭株主であること。

 

納税猶予を継続するためには要件があります。

申告後5年間と申告後5年経過後それぞれ継続要件があります。

(申告期限後5年間)

1.5年間平均で雇用の8割以上を維持(5年間平均値で8割以上雇用維持)

2.猶予対象株式を継続保有

3.次の場合には猶予されていた税額が免除されます。

現経営者が死亡した場合⇒贈与税(相続税の発生)

後継者が死亡した場合⇒相続税・贈与税(次代の相続税の発生)

1,2の要件を満たさなくなった場合、猶予税額を全額納付することとなります。

・毎年、経産省への年次報告書、税務署への継続届書の提出が必要です。

納税猶予を継続するための要件

(申告期限5年経過後)

1.猶予対象株式を継続保有していること

株式の譲渡が生じた場合は、譲渡した株式の割合だけ猶予税額を納付する。(利子税含む:年利0.9%)

2.資産管理会社に該当しないこと

・納税猶予後5年経過後、3年に1回税務署に「継続届出書」を提出する必要がある。

 

事業再生等が発生した場合は、その状況によって猶予される額に変動が生じます。その場合は専門家にご相談ください。

 

納税猶予を受ける前に何をするか?

相続や贈与の前に株式を評価する必要がある。

(これは専門家にご相談下さい)

 

相続税・贈与税などの猶予を受けると・・・

担保提供義務があります。

・担保提供は猶予対象株式の全部を担保提供することで担保提供額を充たしているとみなされる(手続は法務局に供託して供託証明を受ける)。

・株券不発行の場合は、税務署に「税務署長が質権を設定することについて承諾する書面」を提出する。

・譲渡制限株式などであっても可能(所有権は移転しない)。

 

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