遺産分割

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Gentle Exercise

父が亡くなりました。

父名義の財産は自宅不動産,預金,株式,現金があります。遺言はありません

父は母を受取人とした生命保険にも入っていました。

私は母と父名義の自宅不動産で二人で暮らしています

父の子どもは私以外には弟が1人いるだけです。

相続の手続はどうしたら良いでしょうか?

できれば自宅不動産は住んでいる私名義にしたいと考えています。

  

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1 まずは,相続人を確認する必要があります。

遺言書が残されていない場合遺言書があっても財産の一部についてのみの場合などには,亡くなった方(「被相続人」といいます)の財産を相続する権利は相続人にあります。

誰が相続人になるか,そしてその相続人がどのくらいの割合で相続財産を取得できるか(この割合を「法定相続分」といいます)は民法で定められています。

民法では,被相続人の配偶者と子は必ず相続人になることが定められており,配偶者と子がいる場合の法定相続分は,配偶者が2分の1,子が2分の1となります。

子が複数いる場合には2分の1をさらに子の人数で割ることになります。

 

したがって,今回の場合には,相続人は配偶者と2人の子となり,その法定相続分は配偶者が2分の1,子がそれぞれ4分の1ずつになります。

 

 

2 次に相続財産は何があるのか確認する必要があります。

被相続人名義の財産は,全て相続の対象となると思われるかもしれませんが,相続財産とならない(例えば,特定の人が相続によらないで取得する)場合があります

特に問題となるのが生命保険金です。

被相続人が契約者となっている被相続人の死亡保険金は,受取人が特定の人に指定されている場合にはその特定の人が,受取人が相続人とされている場合には相続人が保険会社から直接保険金を受領する権利(相続人が複数の場合には,人数で割った割合で取得します)がありますので,生命保険金は相続の対象財産とはなりません

このように,被相続人の死亡保険金は原則として相続財産にはなりませんが,死亡保険金の額が相続財産と比較して多額であるなど,保険金受取人である相続人とその他の相続人との間に生じる不公平が大きいといえる特別の事情が認められる場合には,例外的に死亡保険金を相続財産に加えて,相続財産として処理すべき場合もあります。

今回の場合には,被相続人の死亡保険金の受取人は配偶者と指定されていますので,配偶者に死亡保険金を受領する独自の権利があることになります。

 

したがって,相続財産は不動産,預金,株式,現金となります

 

 

3 相続財産が分かれば,遺産分割をして,その帰属を決める必要があります。

不動産や現金,株式は名義人が亡くなる(相続が開始される)と,遺言書がない限り,相続人が法定相続分の割合で共有することになります

こうした共有状態を解消するには,『遺産分割』を行う必要があります。

遺産分割とは,相続人間で話し合い(この話し合いを「遺産分割協議」といいます)を行い,誰がどの財産をどのくらい取得するかといった相続財産の帰属を決定することです。

この遺産分割の内容によっては相続財産の共有状態を解消することができます。

 

他方で,預金(法律上は預金の払い戻しを請求する権利)は,相続人の共有とはならず,ただちに法定相続分にしたがって相続人が分割取得することになりますので,遺産分割をする必要はありませんが,実務では,相続人から反対意見が出ない限りは遺産分割協議の中でまとめて帰属を決定してしまうことが多いです

話し合いがまとまれば,次は合意した内容を文章としてまとめ,相続人全員が署名して,実印で押印した『遺産分割協議書』として書面化します。

必ずしも作成が必要となるわけではありませんが,遺産分割の合意内容を実現するためには,金融機関から提出を求められたり,また,不動産を法定相続分以外の内容で登記名義の変更手続をする場合には遺産分割協議書が必ず必要になります。

 

今回の事案では,相続人である母と兄弟2人で,相続財産をだれがどのように取得するか話し合い,長男が自宅を取得することについて母と弟が了承し,遺産分割協議書を作成すれば,自宅不動産を長男の単独名義に名義変更することができることになります。

 

  

4 話し合いでまとまらない場合には,裁判所の手続を利用することになります。

まずは,家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることが考えられます。

調停手続では,中立的な立場の調停委員が相続人の間に入って話し合いを進めてくれます。

ただし,あくまでも話し合いの場ですので,話し合いがまとまらなかった場合には,調停は不成立となり,そのまま審判手続に移行し,審判では家庭裁判所が判断することになります。

 

 

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相続に関しては,法的な問題も生じやすく,また,様々な事情から当事者だけのお話し合いでは感情的になってしまうこともあるかと思います。

お気軽に弁護士にご相談下さい。

 

  

 

 

 

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