~損金になる生命保険は本当に節税になるのか!? ①、②~

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「生命保険戦略考~会社を守る。社長を守る。家族を守る。vol.4 」

~損金になる生命保険は本当に節税になるのか!? ①、②~

Linke運営事務局です。

オーナー経営者のみなさまは、法人で保険にご加入される場合、保険料が損金算入できる保険を選択されることが多いと思います。

長期平準定期保険とか終身ガン保険だとかが代表的でしょうか。
あるいは全額損金の定期保険でしょうか。

何故ならば、損金算入=経費 となり、つまり法人の利益を圧縮できるからという理由ではないかと思います。
利益を圧縮することにより法人税額が少なくなる、つまり節税できるということですね。
決算対策として、保険料が全額損金だとか1/2損金だとかを検討なされるケースも多いですよね。

しかしながら、本来これは完全なる節税ではなく“利益の繰り延べ”ということになります。

“利益の繰り延べ”というのは課税対象となる利益があるが、これを簿外の含み資産とすることにより、解約時まで利益が表面に出てこないようとっておこうということになります。

よって、万が一赤字になってしまった時や大きな損金を計上する時(例えば特別損失として役員退職金支払など)に解約をすれば、本来上がるはずの利益が表面化することなく、解約して計上される雑収入と相殺ができるということになります。

このこと自体は、非常に正しい保険活用法であり多くの経営者のみなさまもご存知の方法ではないかと思うのです。

ただし、これが本当に大きな節税になっているのかなっていないのかというと、トータルではほとんど大きな節税にはなっていません。
保険営業マンの中には、これを“大きな節税”だとか“実質返戻率100%超”だとか言って、すごいお得なことになるかのような営業トークをしたり、または本当に営業マン自身が勘違いをしているケースも多々あるのですが・・・。

何故、トータルで大きな節税になっていないのか!?

例えば、話を単純化するために保険料を全額損金計上できる保険で、20年目の解約返戻率が80%であった場合で考えてみます。
(終身がん保険は1/2損金になってしまいましたが、なかには全額損金で解約返戻率が80%超などというものもまだあります)

20年間で支払ってきた保険料の合計が仮に3,000万円だったとするならば、全額が損金にできるわけですから、利益が上がっている場合は損金効果によって 3,000万円×実効税率36%=1,080万円の税額軽減(節税)になりました。

ところが、この保険をこの時点で解約した場合3,000万円×80%(解約返戻率)=2,400万円の雑収入、つまり利益となるわけです。
課税対象額が増えました。ということは2,400万円分利益が押し上げられるわけですから法人税の課税対象額が増えるということでになりますね。

いくら税金負担額が増えることとなるのでしょうか。
2,400万円×実効税率36%=864万円の税負担が増加しました。

ここまでのトータルでは保険加入によって1,080万円の税額軽減効果があって、解約によって864万円の税負担が増加となるわけですが・・・。
これを1,080万円-864万円=216万円の税額軽減になった。
めでたし、めでたしなどという話になり得るのでしょうか。

確かにトータルでは税金負担額は減って得をしたかのように感じる方もいるかもしれませんが、現金はどうですか?
保険料を支払うことにより、もともと3,000万円あったはずの現金は2400万円に減少してしまいました。現金が減少するのですから、この部分は掛け捨てになったということです。

いくら掛け捨てになったのか?600万円ですよね。
(3,000万円-2,400万円)×36%=216万円

そうです。掛け捨てになった(現金が減った)から、トータルで216万円の税額軽減効果が生じたわけです。
これって何かものすごいことなのでしょうか。

これに対する、一般的な反論というか保険営業マンの応酬トークはこんな感じではないでしょうか。

「万が一赤字になってしまった時や大きな損金を計上する時(例えば特別損失として役員退職金支払など)に解約をすれば、本来上がるはずの利益が表面化することなく、解約して計上される雑収入と相殺ができるということになります。
ですから、解約しても課税対象額は増えません。
この場合税額軽減効果を加味すると実質返戻率は125%となります」

一見すると、ものすごいまともなトークに聞こえますし、ある意味、すべてが間違ったことを言っているわけでもありません。

しかし、です。
逆な言い方をするなら、それはあくまでも、退職金を支払った。
あるいはもともと赤字の時に解約をするわけですから、本来は解約返戻金により雑収入がなければ損金効果によってもともと、解約年度のさらなる税額軽減になっていたはずですよね。
その損金効果が、保険解約という出口で吸収されてなくなってしまったことと等しいですね。

本来は損金をとれて税額軽減になっていたはずが、その年度の軽減効果がなくなってしまったということです。
しかも本来、赤字は繰越欠損金として何年間も適用できるわけですから。

誤解なきように申し上げますが、私たちは決して、このような損金性保険でのプランを否定しているわけではありません。
むしろ大賛成です。
ただし、トータルでこれが大きな節税になってるかのような誤認をあたえる可能性がある営業トークには非常に問題があると考えているわけです。

結論を言いますが、大きな節税にはなっていません。
税効果という観点だけで見れば、現金が減って、その減った分がトータルの税額軽減効果であったというごくごく当たり前の話になります。

このような保険プランの本当のメリットはどこにあるのか?

そのことについて次回検証します。

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