相続税は現金払いだけ!? 厳しくなった”延納と物納”

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相続問題で気をつけなければならないのは、”遺産の分割(=財産分け)”だけではありません。納める相続税の手当ても、重要なポイントです。相続税といっても、所得税など他の税金と同じで、”金銭による一括納付(=現金払い)”が大原則となっているのです。相続人間での分割協議がスムーズにいったとしても、相続した財産が不動産や未上場株式が大部分であれば、最終的な納税の段階で頭を抱えることになりかねません。

こうしたケースでは、「延納(相続税の分割払い)」や、「物納(モノ)」で支払う特別な納付方法が認められています。ところが、現在ではこうした納付方法の適用要件が厳しいものになってしまいました

 相続税の特別な納付方法とは!?

相続税の納付では、皆さんがこれまで”経験したことのない金額を納めねばならない”ことも考えられ、換金が容易な金融資産を相続しない限り、何百万円、何千万円、場合によっては1億円単位の金額を一度に納めねばならないのです。そこで、前述のような特別な納付方法が認められています。つぎに具体的にご紹介しましょう。

● 分割払いの”延納”

相続税を分割して現金で支払う方法を”延納”といいます。一定の要件を満たせば、最長で20年間の延納が可能となります。尚、この延納は年賦といって1年に1度ずつ税金を支払っていくことになります。

● 財産で納める”物納”

一定の要件をクリアした現金以外の財産で相続税を支払う方法を”物納”といいます。といっても、物納による場合は、上述の延納でも納められない点を税務署長に認めてもらう必要があり、かなり条件的には厳しいものとなります。

延納・物納のデメリット

納税の方法としての”延納”や”物納”の選択については、特筆すべきメリットはありません。したがって、デメリットのうち代表的な3点をご紹介します。

● 申請して許可を受ける!

延納・物納ともに、申告期限までに申請書の提出が必要です。この申請に対して、税務署長の許可が下りねば、苦労して作成した納付計画も絵に描いた餅になりかねません。

● 担保提供が必要に!

延納では、延納金額に見合う担保の提供が求められます。この提供する担保も何でもいいというわけではなく、担保として不適格なもの、例えば、共有財産の持ち分や売却できる見込みのない財産などは除かれます。これでは優良な財産から優先して担保提供せざるを得なくなり、資産の有効活用の妨げに!

● さらなる負担が発生!

延納は相続税の分割払いのため、借入金と同様、国への利息の支払いが必要になります。その利息を利子税といい、延納金額が高額なケースや延納期間が長いと利子税の負担も重くのしかかります。

尚、以前は、物納については、利子税は課せられていませんでしたが、今では税務署長の物納許可が下りるまで(審査期間(概ね3カ月)を除く)の期間について利子税が課せられるようになりました。しかもその利子税は、現金での納付しか認められていませんのでご留意ください。

いずれにせよ、遺産分割の段階で、納税のことも意識して納める相続税額に見合う現金などを分割するか、現預金が少額なケースでは、早めに不動産を売却するなどして納税資金などを準備しておく必要に迫られそうです。

相続税の申告は、納税を終えてはじめて終わったといえるものです。遺産分割の問題だけでなく、納税についても適切なアドバイスができる専門家にご相談されるのが〝感動相続”につながるのでは。

出典:資産Navi

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