入院付添費について,近親者が仕事を休業して付き添った場合に減収分全額を認められますか。認められるとしてどのくらいまでですか。

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入院付添費については,一定の条件で認められます。

仕事を休業して付き添った場合に,その収入も一定考慮されますが,職業付添人の金額を上回ることはありません。

1 入院付添の必要性とは何でしょうか
事故に遭って入院をした場合に,近親者が付き添うことはよくあることであり,心情としては,誰もが共感できるものです。
しかし,損害賠償の対象として認められるかどうかは,その付添の必要性が問題となるのです。

2 入院付添の必要性が認められる場合とはどのようなものでしょうか
(1)医師の指示があれば原則として認められる
(2)医師の指示がなくとも,受傷部位・程度によって客観的に必要性があれば認められる
具体的には,症状が重篤な場合や,受傷によって日常動作が著しく制限されるような場合です。
(3)被害者が幼児や児童であれば,医学的な判断とは別に,社会通念上必要性が認められる

 なお,よく問題となるのは,病院等の医療機関が基準看護(いわゆる完全看護)態勢をとっている場合には,近親者が付き添うまでもないと賠償側の保険会社が主張することがあります。この点は,基準看護(いわゆる完全看護)態勢であっても,受傷の部位・程度・被害者の年齢等により必要性が認められます。

3 入院付添費の基準額はどのくらいでしょうか
いわゆる赤い本では,「職業付添人の部分は実費全額,近親者付添人は1日につき6500円が被害者本人の損害として認められる。但し,症状の程度により,また,被害者が幼児,児童である場合には,1割から3割の範囲で増額を考慮することがある。」(2015年版p11)とされています。
なお,入院付添費は,被害者本人の損害とされています。

4 近親者の付添費の上限はあるのでしょうか
近親者の付添費については,被害者本人の損害であることから,被害者の受傷の程度・年齢,必要な看護行為を考慮して,付き添った人が職業に就いていれば,その収入も勘案して事案に即した相当な金額を定めることができるとされています。

しかし,「近親者付添人は1日につき6500円」という基準額からは大きく超えることは少ないと思います。

さらに,職業付添人を超えることはないとされています。
それは,職業付添人を超える収入があるならば,自ら休業するのではなく,職業付添人を頼めば足りると考えられるからです。

5 入院付添費の期間はどの程度でしょうか
入院全期間ではなく,付添の必要が認められる期間に限られます。

 

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