交通事故による死亡慰謝料で「一家の支柱」とは何ですか。また,その場合の金額はどうなっていますか。

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交通事故における死亡慰謝料は,訴訟基準としておおむね3段階となっています。
その中でも「一家の支柱」に対する金額が相対的には最も高いものとなっています。
 
1 死亡慰謝料における一家の支柱の金額は,どうなっていますか。

民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準,いわゆる赤い本では,2800万円とされており,東京地裁をはじめとした多くの裁判所もこの金額によっているとされています。

2 一家の支柱とは,何ですか。

赤い本には記載が無く,別の青い本といわれる文献では
「当該被害者の世帯が,主として被害者の収入によって生計を維持している場合をいう」と定義されています。
夫婦と未成年の子という家族構成の場合の多くでは,夫と言うことになろうかと思います。

3 一家の支柱に準ずるとは,それでは何でしょうか。

同じく,赤い本には記載が無く,別の青い本といわれる文献では
「それ以外(一家の支柱以外)の場合で,例えば家事の中心をなす主婦,養育を必要とする子を持つ母親,独身者であっても高齢な父母や幼い兄弟を扶養しあるいはこれらの者に仕送りをしているものなどをいう。」とされています。

4 具体的判決例ではどうなっていますか

(1)高齢の親を扶養していた大学教授(男・独身・58歳)について合計3000万円を認めた判決(大阪地裁平成12年9月21日判決,内訳本人分2400万円,母,妹,二人の弟に各150万円)
(2)娘が9歳の時に離婚し,以降娘が17歳になるまで扶養してきた兼業主婦(49歳)につき合計3000万円を認めた判決(東京地裁平成15年12月5日判決,内訳本人分2600万円,娘に400万円)

このような判決例を見ると,独身者であっても両親に代わり扶養あるいは介護をしている場合,さらにはシングルマザーで子を育てている場合にも「一家の支柱」あるいはそれに準じた扱いをしていると言えます。
その意味では,常識的な解決を図っています。

5 近親者固有の慰謝料との関係はどうなりますか。

一家の支柱あるいは一家の支柱に準ずるとして認められる死亡慰謝料には近親者固有の慰謝料を含んでいます。
したがって,両方を請求しても実際の合計額には代わりがないことが多いと言えます。

 

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