高次脳機能障害と認知症とは違うのでしょうか。また,高次脳機能障害でいう症状にはどのようなものがありますか。

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高次脳機能とは,運動機能,知覚機能という一次的機能によって得られた情報をより高度なものにしていく脳による神経機能です。
高次脳機能障害とは,その障害であり,具体的には,失語,失行,失認,健忘,注意障害,判断障害を指しています。
認知症も,正常に発達した知的機能(記憶・言語・行動・認識・遂行機能など)が後天的な脳の障害によって低下して支障を来しているものであり,高次脳機能障害とほぼ同じものを指しています。
高次脳機能障害は,交通事故という外傷に対する賠償のために用いられていると言えます。

1 高次脳機能障害とは何でしょうか。 
脳の機能には,3つのものがあります。
第1が,手足や顔を動かす運動機能です。
第2が,音とか臭い,肌触り等を感じる知覚機能です。
そして第3が,記憶・認知・感情・言葉を支配する高次脳機能です。

つまり,運動機能,知覚機能という一次的機能によって得られた情報をより高度なものにしていく脳による神経機能が高次脳機能なのです。
この高次脳機能が脳損傷によって障害が残ることが,高次脳機能障害です。

2 自賠責保険の認定における高次脳機能障害の定義はどうでしょうか。 
損害保険料率算出機構平成23年3月4日「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について(報告書)p10」によれば,明確な定義を設けてはいませんが,
脳外傷後の急性期に始まり多少軽減しながら慢性期へと続く,典型的な症状として「多彩な認知障害,行動障害および人格変化」が特徴的な臨床像であるものとしております。

要するに,「2 学術的な高次脳機能障害の定義」でいう病態の中でも,外傷によるものと言うことになろうと考えられます。

3 認知症とは何ですか。 
認知症とは,正常に発達した知的機能(記憶・言語・行動・認識・遂行機能など)が後天的な脳の障害によって,
複数の領域にわたり持続的に低下し,そのために日常生活や社会生活上に支障を来している状態(症候群)です。
但し,その発症の原因としては,アルツハイマー型認知症,脳血管性認知症等です。

学術的には高次脳機能障害と認知症とは,ほぼ同じものを指していますが,高次脳機能障害は,認知症よりも広い概念です。
そして,高次脳機能障害は,認知症の診断基準を満たしていることが通例です。

4 高次脳機能障害の症状とは具体的にはどのようなものでしょうか。 
失語:他人の考えを理解し,自分の考えを表現することが困難な状態

失行:指示された内容は理解しているにもかかわらずに,そのことができない状態

失認:以前に学習した対象を認識できない症状

半側空間無視:損傷した脳の反対側の刺激には反応しないで,そちら側の空間を無視して向こうとはしない症状

記憶障害:新しいことが覚えられなくなる症状,同じことを何度も質問する。ものの置き場所を忘れてしまう。

地誌的障害:自宅でトイレに迷っていけなくなる。近所で道に迷う。

遂行機能障害:自分では何もしない。指示をされれば行動できるのに,指示なしでは行動できない。

注意障害:作業ミスが多い。よそ見をしたりして作業に集中できない。指示されてもそれに関心を払わない。

情動や人格の障害: 欲しいものを我慢できない。お金の感覚がなくなりあるだけ使ってしまう。言われないと何もしない。

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