むち打ち(頚椎捻挫)の一般的な症状経過と治療期間・後遺症はどうなっていますか。

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1 むち打ち(頚椎捻挫)の症状は事故からどのくらいで出現しますか。

一般的には,当日は平気であっても,翌日痛くなると言われるように,ほとんど24時間から48時間以内とされています。
むち打ち(頚椎捻挫)は,首の周囲の筋肉・靱帯等の断裂による出血と腫れが生じます。
それは,受傷してから数時間で安定して,それ以上はほとんど進展しないとされています。
また,神経圧迫があって神経根の周囲の腫れが生じたとしても,一般的には24時間以内に完成するとされています。

2 事故から1週間経って痛みが生じてきたので,受診した場合はどうですか。
診察した医師が事故による,むち打ち(頚椎捻挫)と診断したとしても,1で述べたような一般的な症状出現時期としては,遅すぎるとされて,相手方保険会社(共済)から治療費を含めた事故扱いとして賠償することを拒絶されると考えられます。
それは,事故以外の原因による症状出現と推測されてしまうからです。
最近の傾向では,年末年始で休診中であったような特別な事情がないと認められないと考えるべきです。
また,医療機関以外の整骨院(柔道整復師,鍼灸)を受診していたとしても医療機関ではありませんので注意して下さい。

この初診の遅れは,ある意味では致命的と言えます。

 

3 むち打ち(頚椎捻挫)の急性期・亜急性期とは何ですか
損傷した筋肉や靱帯等の組織や,仮に脊髄内部に出血があり,その部分が壊死したような場合を含めて,それらが瘢痕組織となって一応の第一次的な修復がされる期間を急性期としています。
単なる様子見の期間ではなくて,医学的観点からの修復期間です。
一般的には,3から4週間とされています。

損傷した脊髄や神経根は,元の状態に戻るのに長い時間がかかるか,最悪の場合には元には戻りません。ここでいう亜急性期とは元に戻ることが可能な筋肉や靱帯等が正常な状態に戻るまでの期間とされています。一般的には,受傷後6から8週間とされているようです。しかし,損傷した部分だけではなく,正常な部分も含めて首全体があるいは,周辺の肩等を含めて弾力性や可動性を失っていたり,減退したりしていますから,機能全体の回復を含めて亜急性期を考えて急性期以降受傷後3ヶ月を亜急性期と一般的に医学的にはしているようです。しかし,受傷後3ヶ月で筋肉や靱帯等の損傷が完全に回復するのかは,年齢を含めた個体差(個人差)を考慮しても一律にすべての人に該当するのかが問題となるのです。
なお,急性期と亜急性期を特に区分けせず,併せて急性期と呼ぶ考え方もありますが,その場合には,急性期全体の期間については受傷後3ヶ月よりも短く考えているようです。

治療中において,次の慢性期でもそうなのですが,本当に治ったならば別ですが,如何なることがあろうとも治療の中断が生じることは絶対に避けて下さい。

1ヶ月の中断があれば,治癒つまり治ったとみなされて,その後の治療については事故との因果関係が否定されてしまいます。

4 むち打ち(頚椎捻挫)の慢性期とは,何ですか。慢性期でも,痛みがどうして残っているのでしょうか。
亜急性期以降を一般に慢性期としているようです。慢性期というのは,症状が常態化しつつあるということです。
筋肉や靱帯等の急性期における瘢痕組織の形成,亜急性期における正常化というのは,あくまでも医学的な理屈です。
また,受傷直後の痛みと慢性期にある痛みとは医学的に見ての発生原因が異なるという見解もまた医学的には有力です。つまり,長期的に持続した痛みが神経回路に記憶されてしまってそれが長期化してくると言うものです。しかし,むち打ち(頚椎捻挫)の最大の問題点は,神経根圧迫があるような場合を除いては,痛みを生じる原因が画像等で他覚的には証明されないことです。

5 むち打ち(頚椎捻挫)の場合に,受傷後の3ヶ月,6ヶ月,9ヶ月というのが節目というのは何ですか。
これは,保険会社(共済)の対応を指しています。
3ヶ月というのは,まさに既に述べたように慢性期に入る頃です。しかし,3ヶ月で打ち切りをするというのは,車両の損傷状況や,それまでの通院頻度で判断されることが多いと思われます。
その3ヶ月を過ぎて治療を認められたとしても,神経圧迫がないことが既に判明すれば,受傷後6ヶ月前後で打ち切りをしてくるはずです。
受傷後6ヶ月を超えて打ち切りをせずに,治療が継続されている場合とは,同じ症状が一定程度で一貫して継続している場合,あるいは,MRI画像検査で神経圧迫が認められる場合です。

6 まだ治療中なのに,保険会社(共済)から打ち切りをされたらどうしますか。
この場合に,打ち切りとは,治療費の支払いの打ち切りを言います。自由診療で支払っていたとしたならば,その支払いをやめる。あるいは,健康保険を使用して治療していた場合に,自己負担分の精算をしてくれない,と言う意味です。この場合に,健康保険に切り替える,あるいは既に切り替えていた場合には,そのまま健康保険を使用しながら,自己負担分をまずは支払続けて,治療を継続することです。ただし,その後,自己負担分をしたものに対して相手方の保険会社(共済)から結果的に回収できるかどうかはリスクを伴うことの覚悟が必要です。

7 むち打ち(頚椎捻挫)の場合の治療期間と後遺障害(後遺症)として認定されるかの関係はありますか。
確実なことは1つだけです。3ヶ月前後の治療期間では,後遺障害(後遺症)として認定される可能性は0です。

最近の傾向では,6ヶ月を超えないと可能性さえもありません。また,最初と最後だけ医療機関で後は整骨院(接骨院)だけの治療というのでも否定されます。

しかし,後遺障害認定される目的だけで必要のない治療をすることを勧めているわけではありませんので,御注意下さい。

さりとて,6ヶ月以上,さらには9ヶ月と治療をしたからと言って,後遺障害(後遺症)として認定される可能性は絶対的なものではありません。非該当となることもあり得るのです。
また,むち打ち(頚椎捻挫)の場合における後遺障害(後遺症)認定の12級と14級の分かれ道は,治療期間ではありません。神経圧迫の画像所見とそれに対応する神経症状が検査として確認されているかどうかが分かれ道です。

 

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